「活かす」ということ、「生かす」ということ

2019.09.30 / エクセレント西ノ京

エクセレントケアシステムのなかで機能訓練などの仕事をしていて、よく思うことは、自分の経験を「活かす」ことのできる職場であるとともに、自分の人生を「生かす」ことにつながる職場であるということです。
 

「活かす」というと、さらに専門的な知識を身に付けてキャリアアップを目指すとか、より専門的な資格取得を目指すことを想像すると思います。キャリアアップや資格取得も大切ですが、それほど大袈裟なことではなく、これまでに得られた経験や知識を活かせるのが介護の現場であると思います。なぜなら、介護の現場とは「生活の場」であり、日常の営み、習慣、馴染みなどが入居者様の生活に安心感や穏やかさを与えることができるので、これまでの仕事や自分の生活の中で培われた何気ないひとつひとつの行為を治療的に活用することができる場であると思います。
 

私の経験談について、少しお話したいと思います。

作業療法士になるための養成学校の授業で編み物のさわりだけ教わったのですが、子どもが通っていた保育園ではバザーに手作り作品を出品するノルマがあり、仕方なく、さわりだけ教わった編み物をなんとか駆使して帽子を編みました。その帽子は無事売れたので、毎年、帽子を編んで出品していたのですが、少しずつ進化(?)させていったせいか、少しずつ上達し、治療として活用できるスキルのひとつになりました。
 

(写真左より) スパイラル編みの帽子。ミニオンカラー。ひ孫さんにプレゼント。 / 手首を骨折した方のリハビリに編み物。/ 腕に運動麻痺があるので、ホビーバイスを使って編み物。

 

またファミレスでアルバイトしていた経験があるので、「男の料理会」と称してレクリエーションでホットケーキや生チョコなどを入居者様と一緒に作り、おやつとして振る舞うこともあります。

また子どもの試合の送り迎えで訪れた地区が、新しい利用者様が住んでいた場所だったので、その地区のお店や学校の話をすると、「よー知っているなぁ」と親近感を感じてもらえたこともありました。

他にも、私の故郷にたまたま利用者様の兄弟が住んでいるという理由で信頼してくれたり、アンテナのせいで地デジが映らなかったのを差し込み直しただけで修理してくれたと喜んでもらえたこともありました。
 

(写真左より) 「男の料理会」。身体の状況に合わせてできるところをしてもらう。年代的に、家庭で料理をしたことのない男性が多いですが、おやつとして振る舞うとなると積極的に参加してくれます。 / 関節の動きを維持、拡大するための訓練。利用者様が船舶の通信士として働いていた頃の話しを伺っています。

 

利用者様とかかわりたい、役に立ちたいという気持ちがあれば、些細なことであっても喜んでもらえますし、感謝してもらえます。これまでの自分の生活で得られた経験や知識を利用者様のために「活かす」ことのできるのが介護の職場の良さのひとつであり、それがこれまでを肯定的に振り返ることにつながる、つまり人生を「生かす」ことのできる職場であると思います。
 

介護業界の全般にいえることと思いますが、学校を卒業してすぐに介護業界に就職した人もいれば、別の業界に就職してから、職種を変更して、介護業界に就職した人も多くいます。私は職種変更組であり、最初の就職は家電メーカーで、家電に組み込まれる部品の設計に従事していました。その頃はコンピューターが相手で人とかかわる機会はほとんどなかったのですが、いまでは人とかかわるのが仕事のほとんどであり、試行錯誤しながら日々の仕事を何とか全うすることができています。
 

令和という新しい時代の到来とともに、新しいことにチャレンジしやすい雰囲気が感じられます。いろいろなキャリアをもった人とエクセレントケアシステムのなかで一緒に働けるのを楽しみにしています。
 

エクセレント西ノ京
機能訓練指導員・作業療法士 丸 康宏

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