音楽のある日常をめざして

2019.05.28 / エクセレント岡崎

常々音楽は人の心を癒し、勇気づけ・心を開放するものだと感じておりました。歌ったり演奏したりすることにより心身に活力がわいてくると思います。つらい思いを唄う歌でさえ、聴くものに共感を与えつつ生きる勇気を与えてくれると思います。

音楽を聴き、歌い、体を揺らしリズムをとると心身の調子がよくなります。従来から、ミュージックケアのボランティアさんにおいでいただき、或いは近隣の会場へコンサートなどに皆さんと出かけておりました。

それらはすべて、いわば受け身よりの音楽でした。なんとか、ご利用者様を筆頭に自分たちが音楽の主体になれないかと考えておりましたところ、アドバイスをいただけるプロミュージシャンとお出会いする機会を得ました。また、高齢者施設で音楽を楽しむにはどうしたらいいかと楽器屋さんに通い相談を重ねておりました。

そうして行き着いた結論が、「難しいことは考えず、楽しめばいい」でした。

それから、室内外で手作りの音楽環境をいくつも作りました。皆で歌う、聴く、感じる、演奏する。

はじまりは丁度去年の今頃でした。最初は、職員と1対1で。次には、数人で。その輪は段々と広がりを見せ、今では音楽を始めると、各所から人が集まるようになりました。

プロと共演 / 職員と1対1で歌う

 

歌ったり演奏したりした後の皆さんの表情の明るさは神々しいほどです。

また、ほんと音楽っていいですねー。と複数の職員が同調を始めました。遠慮しがちな職員もご利用者さんも、えいやっ!と思いきってしまうとあとはノリノリです。そして生まれた素敵なエピソードをいくつかお届けいたします。

 

◇104歳のドラマー
普段はおとなしくしていらっしゃいますが、ご存じの歌になると、満面の笑みで歌われます。
打楽器も力強くこなされます。
お帰り際、「楽しかった」「ありがとう」「またねーっ!」と大きな声でおっしゃいます。

◇93歳のマネージャー
職員が楽器を片付けるとき、必ず、お手伝いいただきエレベーターまで荷物を持ってくださいます。
そして必ず感謝のお言葉をくださいます。
また、自らもソプラノで歌唱されます。サラブライトマンもびっくり級です。
なんと「千の風になって」をフルコーラス覚えられました。

104歳のドラマー / 93歳のマネージャー

 

◇96歳と91歳の詩吟家(お一人は師範代)
乃木希典 金州城下の作はこのお二人の十八番です。これだけはまねできません。

◇ご自宅ではそのほとんどをベッドに寝てお過ごしの方
施設へおいでの際は、車いすの上で腰と足を使ってリズムを取られます。音楽にお誘いするといつもにまして笑顔になられます。毎回、ここは歌があるから好きや・楽しいとおっしゃいます。

◇定番の千の風になって
最近お二人の方を看取りさせていただきました。歌がとてもお好きでいらっしゃいましたので最期まで私たちは歌を歌い送り続けました。
いろんな歌を歌いましたが「千の風になって」はいつしか私たちの定番となりました。皆さんのお気に入りの一つでもあります。複数の方が覚えられました。これからも、歌い続けたいと思います。

◇82歳 天使の歌声
あるとき歌声を録音してみました。すると声だけでは誰だかわかりません。なぜなら少女を思わせる美しいなめらかな歌声。そしてやっと誰の声かわかりました。普段から歌がお好きな方です。ただただ脱帽でした。

◇82歳 ソロギタリスト
ご自宅にギターがほこりをかぶっていました。職員と一緒にギターを持ってみるとなんと、音階を見事にひかれました。セッションの日が待ち遠しいです。

82歳 天使の歌声 / 82歳 ソロギタリスト

 

◇岡崎公園で歌う
青空の下で合唱するのは、なにものにも代えがたい爽快感があります。朝の公園体操の後に楽しんでいます。

岡崎公園で歌う

 

◇どこでも歌う
食事を弁当仕込みにして外で、そしてBGMを生演奏で。雰囲気を変えると気分も上々です。

どこでも歌う

 

今後も、内外さまざまな方と交流し、音楽をベースに心身の健康を引き出したいと考えております。

 

エクセレント岡崎
施設長 本多 政彦



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