介護施設では日々、『ベッドから車いすに移った際にはずみで青アザができてしまう』、『飲もうとした薬が口から溢れて床に落ちる』、『立ち上がったものの筋力の低下のため、しりもちをついてしまう』…などの事故が細心の注意を払っていながらも発生している現実があります。
エクセレント町田でも2019年1月から3月の3ヶ月間、平均十数件の事故が発生していました。
しかし、これまでの取り組みに加え、新たな仕組みを導入した4月からは事故の件数は半減し、5月においてはさらにまたその半分に減少しています。今まさに取り組んで効果を上げつつあるリスク対策への取り組みについての内容を紹介致します。
施設内では一人ひとり、さまざまな個性を持った入居者様が生活をされています。そういった方々の生活の中に存在するリスクを低減させ事故を防止するためには場当たり的ではなく、その方の個性に合った最適なサービスを提供する必要があります。そのため、エクセレント町田では毎月初旬に施設長、ケアマネ、介護リーダー、介護職員、看護職など各セクションのメンバーが集結し、あらかじめ検証した入居者様の能力の変化(移動、食事、排泄、入浴関連動作、一人一人の薬の飲み方など)の情報、それまでに集計された事故の情報などを基に問題発生の原因分析やその解決策に対してのカンファレンスを行っています。
そうして導き出された解決策をさらに毎月中旬に行っている介護(ケア)会議で点検し、初めて正式に統一されたサービスとして実施することとしています。さらに加えて各セクションが一堂に会する機会でもある全体会議でも決定したサービスが有効かどうかを振り返ることも行っています。
特に薬を滞りなく服用頂くための入居者様一人一人の服薬方法を統一する試みは大きな効果を上げ、薬関連の事故件数はそれまで大幅に減少して行きました。
入居者様の一人ひとりの生活能力を情報化すると、これだけの膨大な情報量となります
エクセレントケアシステムでは各事業所の業務運営に関して統一化されたサービスによる安全の確保や適切な人員配置を行うために時間軸で実施するサービスや業務内容を統一する介護の業務手順書ともいえる『ライン表』の導入が推奨されています。エクセレント町田では2019年3月にライン表を正式に導入しました。それまでは各スタッフの経験則で行っていた食後の排泄・口腔ケアサービスなどの誘導の順番や個別ケアの時間などをスタッフの意見を元に設定し、全スタッフの統一事項として位置づけました。
大きな変化はすぐに訪れました。ライン表の導入を行った1ヶ月後の4月からは、それまで平均月十数件あった事故件数が半減しました。その精度をあげるためにライン表のメンテナンスを行った5月にはさらに半減しました。そのことをスタッフに報告し、どういった変化が起こっているのかを尋ねると「それまで何となく行っていた誘導なども衝動的に立ち上がったりされるなどのリスクがある方を優先的にフォローすることを意識するようになったため安全性が向上したと思います」との回答がありました。
新たな試みはまだ始まったばかりではありますが早くも手ごたえがあった『ライン表』。今後もその精度をさらに向上し、『月間事故発生0件』に挑戦していきたいと考えております!!
エクセレント町田
施設長 夏堀 高邦