先日、主任・リーダー向けの研修を、本社とWebのハイブリッドで開催致しました。
未来をつくるkaigoカフェ代表の高瀬様と、TRAPEの代表取締役の鎌田様にお越し頂き、パネルディスカッションとワークショップの構成で実施しました。
お二人とも業界の第一人者でありながら、介護現場の深い洞察に基づいた「対話」を重視されるので、絶対に良い相乗効果があるだろうなと考えていました。
実際、受講者もワークショップを通じて対話することで、モチベーションが上がり、前向きになれた方もいらっしゃった様です。
社内の主任・リーダーのためだけに、このお二人を迎えて研修企画するのは非常に贅沢な決断でしたが、大きな意義があったと感じています。
そして、これからもこの様な取り組みを継続して実施する事で、グループ全体で「対話」の総量をもっと増やす必要があると感じています。
以下の記事は、社内の全てのリーダー達に向けて書いておりますが、本当は自分に言い聞かせるために書いています。
是非、最後までお読み頂けると幸いです。
対話の持つ効果としては、共感を生み出したり、モチベーションを高めたり、チームのコミュニケーション円滑化、チームでの経験や知識の共有等、多岐に渡る効果があるかと思います。
但し、目的は何かと問われると、当グループの場合は、人事理念「創造する人へ」の実現です。
創造性を高めるには、「働く人の内発的動機」と「他者視点に立った物事の考え方」が重要であるという考え方があります。
対話を通じて、経験を共有したり、適切な助言を貰ったりすることは、モチベーションを高める事に一役買います。モチベーションが高い人材は様々なアイデアを生み出しますし、他者視点に立てる人材は、そのアイデアが相手にとって有用であるかまで考えられます。つまり、アイデアを現実に実装し役立てられるクリエイティブな人材、「創造する人へ」を体現できるという訳です。
理論的にはこの様な形ですが、現実は超えなければならない壁も多く簡単ではないです。
しかし、思考の軸として人事理念をどの様に実現していくのか理解しておくことはリーダーとして非常に重要だと思うのです。
これまでの経験の中で、もっと積極的に対話をしていれば、未然に防げただろうなという問題にぶつかった事があります。
問題発生時に、まさかそんな問題が起こるとは嘆いても仕方がありません。事前に、問題となり得る種を、対話を通じて上司は察知する必要があるのです。
個人にとっては大きな問題でも上司や周囲のサポートで解決できるかもしれません。またその逆で、個人にとって大丈夫だろうと思うことでも、上司にとっては早急に対応すべき問題かもしれません。
上司が問題を察知する手段として、部下からの報告は勿論重要ですが、部下自身整理がついていない内容は報告されない傾向があります。積極的に部下が相談しやすい雰囲気や仕組みづくりをする事で、対話の頻度を上げる事は、組織のリスクマネジメントのためにも重要だと思うのです。(本質は、テクニックではなく、皆の人生が幸福になる様に、全てに対して向き合い寄り添う姿勢だとは思いますが)
ある有名企業は、「部下は上司に質問する責任がある」という人事方針を浸透させています。
通常、部下は上司に報告する責任はありますが、質問するという事にフォーカスしているのは珍しいです。上司は超能力者ではありませんので、全てを察知することは不可能です。ならば、少しでも困ったり、相談するか迷うときは、気兼ねなく上司に質問しよう、寧ろその責任があるという考え方です。
初めて知った時は、この様な仕組みを持って相談しやすい環境を整えているのかと感心しました。まだ弊社ではルール化していませんが、近い将来、取り入れていくべきと考えています。
研修の冒頭で、自社のビジョンを理解しているか聞いた時、手を挙げられる人はごく僅かでした。
組織ビジョンを真に浸透させるには一人ひとりの個人のビジョンと、どの様に紐づけるのか考え抜いた仕組みが必要であると感じました。(反省中です。。)
その紐づけのためには、座学研修ばかりではなく、「対話」を通じたワークショップ、メンタリング、コーチング等が、特に重要だろうと感じています。
これらに共通する事は、主役は上司や組織でなく、あくまで職員一人ひとりだということ。ビジョンに限らず、方針、業務が自分にとってどの様な意味を持つのか、一人ひとりが考える機会を、しっかり会社側が創出すべきだと。
その出発点が意見のアウトプットなんだと理解しました。
個性も背景も違う職員とフラットな関係でアウトプットできる場をつくることで共感する。時には、経営者と職員が意見交換できる場で、飾りものになりがちな理念や方針を物語ることで、文章だけでは理解できないニュアンスを理解し、腹おちしていくのではと考えています。
モチベーションをテーマにしたパネルディカッションの中で「アウトプットする事に意味がある」「まずは心のうちを吐き出す事から始める」と先生方はおっしゃられました。
その通りだなと本当に共感しました。
「心のうちを吐き出し、余白を創り、心に火を灯せ」
脳内に浮かんだ言葉です。
心がいっばいいっぱいだと、心に火は灯らないですよね。
また、ワークショップの発表で、ある事業所のリーダーより、体制に対する不安や悩みを吐露頂けました。
心が苦しく痛みましたが、良い痛みだなと思いました。
改善の機会を頂いたと真剣に受け止めて、現場の声を大切にして、経営にあたる所存です。
最後になりましたが、この様な素晴らしい研修を実施できたのも、お二人の豊富なご経験、インサイトから発せられるお言葉があってこそでした。
この場を借りて改めてお礼申し上げます。
ありがとうございました。
株式会社エクセレントケアシステム
常務取締役 大川 文也