小規模多機能に勤めて

2023.05.30 / エクセレント衣笠

昨年の2022年8月より、エクセレント衣笠に入社させて頂いてから半年以上が過ぎました。
私は小規模多機能にて勤務しておりますが、それまで介護の仕事の経験はデイサービスでのものだけで、小規模多機能は初めての経験でした。

デイサービスはご利用者様を毎日お迎えとお送りをし、日中のみお付き合いしサービスする仕事。
では小規模多機能とは何だろう?

キャリアアップを目指して転職活動していた際にエクセレントケアシステムの求人に応募したのですが、「小規模多機能は泊まりがついたデイサービスのような施設」程度の認識しかありませんでした。

泊まりありと言うことは夜勤あり。さらに訪問業務もあるそう。それまで勤めていたデイサービスではそのどちらも無い事で不安もありました。
「小規模多機能」の読んで字の如く、業務も多岐にわたる内容ですが先輩たちの指導やフォローのおかげで元気に勤めております。

小規模多機能。
正しくは「小規模多機能型居宅介護」。
介護に馴染みのない方には聞きなれない言葉かとは思いますが、簡単に説明させて頂くと「通い」「宿泊」「訪問」の3つを組み合わせ、在宅生活支援を一カ所で行う介護サービスです。
2006年から制度化されたもので、介護サービスの中では比較的新しいものです。

それまで私が勤めていた、いわゆるデイサービスは「通い」のみを請け負っています。
「宿泊」「訪問」は担当外です。これをいずれも同じ事業所の介護職員が担当する事で、認知症の高齢者様のストレスを軽減させる意図があります。

小規模多機能で働いてみて、デイサービスに勤務していた頃の、あるご利用者様の事を思い出しました。
そのご利用者様は独居をされており、まだまだお元気な方でしたが認知症が進行してしまい、特定の職員にしか気を許すことがなくなってしまいました。デイサービスでは親しい職員と気さくに過ごされても、訪問事業所より服薬介助にやってきた職員は自宅に上げても貰えない、という話を聞いたりしました。
その事も一因となったのか、結果その方は施設入居される事になりました。
突然の事でお別れを言う間もなく、またその利用者様は住み慣れた街を離れる事となってしまったのですが、在宅生活の継続を支援するには難しかったのかもしれません。

「通い」「宿泊」「訪問」。
それぞれ専門的に担当する事業所があって円滑となることもあるでしょうが、しかし一方で私が経験した、利用者様の事例がある事もまた事実です。
小規模多機能はこういった高齢者の方にもできる限り長く在宅生活を続けて頂くための新しい仕組みだと実感しました。

と、ここまで小規模多機能の役割しか語っておりませんが、私が実際に働いてみて感じた事を書かせていただきます。先述した通り業務は多岐にわたります。しかしその代わりに見えてくるのはご利用者様の生活、日常です。
宿泊の時はご利用者様の夜の過ごされ方、訪問ではご利用者様の生活環境。それらを直に見る事、踏まえる事で、よりよい支援を提供することができるのではと考えます。多岐にわたる介護スキルも大事ですが、ご利用者様との距離もより近い業務内容においてまずは信頼して頂ける、安心して頂ける。打ち解けて頂ける事が何よりも大事なのではないかと考えます。

そのための取り組みとして、ご利用者様の話を聞く事を大切にしています。例えば認知症の方は同じ話を何度もされたりしますが、何度もされるという事はそれだけその方の心に強く残っている事、いい思い出、つらい思い出もあるでしょうが、その当時の時代背景・世相を深く知っておく事が大事だと思います。それを通じて利用者様の人柄も見えてくるのではないかと、またその言葉の受け答えにも心が近くなるのではないかと考えます。

まだまだ私の介護経験も浅く勉強中の身ではありますが、以上の事を念頭に置いてこれからも業務に取り組んでいきたいと思います。

小規模多機能型居宅介護
エクセレント衣笠
介護リーダー 黒瀬 将太



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