ワンワンラビッツガオーッ!誕生

2024.05.14 / スイート上桂

入社3年目から絶え間なく続けてきた音楽会「おとたのえ」
→ 改名して今は「極おとたのえ」
8年の歳月を経て、ついに当初から目指していた形になる基礎ができました。

それは法人の内外を問わず、有志がチームを組み、その日に集まれるメンバーが集いライブを行うというスタイル。(主軸メンバー現在4名、法人外2名・法人内2名)
チーム名は、ワンワンラビッツガオーッ!(メンバーの干支を並べました)。
ゆくゆくは、皆様に、「ワンラビ」と親しみを込めて呼ばれるだろうと期待しております。
最近の素敵なエピソードを二つ披露します。

<ひとつめ>

3か月に一度、右京区のいきいきカフェさんにお招きいただきライブを行っています。
ハーモニカ担当の齋藤さんが、オーディエンスの切なるリクエストにこたえて、ハーモニカの個人教授をすることになりました。早速希望者がハーモニカを買い揃えられました。

そして、いきいきカフェの主の松井さんが、
「本多君、これからライブの時、ちょっと本多君の出番少なくなるで、私らがハーモニカで割り込むし。」とおっしゃいました。講師の齋藤さんは84歳、オーディエンスから生徒になられた方々は、古稀から卒寿の面々。この活力はすごいと驚いていると、電動車いす移動、且つ、のどに疾患のあるかたが、
「私もしてみたい、でも、吐くことしかできないし、吸うことできないし、ハーモニカ無理やなあ。」
すると、周りの皆さんが間髪入れずに励まされ、
「できるとこだけでええやん、吹けるとこだけやったらええねん。吸うとこ私らやるやん。な、みんなでやろう。」と。
今、その方は、ハーモニカ個人教授の中心メンバーです。

<ふたつめ>

先日、エクセレント北野で2回目のライブをさせていただきました。

今回は、構想半年、「組曲 千の風になって」を初めて披露させていただきました。
春夏秋冬、季節毎の懐かしい曲を演奏したり、歌ったりしました。曲の合間には、京都の音景色や季節の自然音を盛り込みました。そしてさわやかな小鳥のさえずりの後に続くのが、メインテーマの千の風になってです。所要時間は10分位。全部で、5曲くらい、ノンストップで。
演り終えた時、何か、とても不思議な感覚になりました。とてつもなく大きな宇宙の海原を縦横無尽に舞いながら旅をしたような気分、生まれて初めての体験。十分な充実感を得ました。
選曲がシームレスでよかったのか、メロディラインが癒し系だったのか。ただ、心の中では、感謝と平和と健康を祈りながら演じていました。

今回は、演奏する側が極おとたのえになってしまいました。願わくば、今後、この感覚が皆様にお伝えできれば、感じていただければまさしく我々の本懐だと強く感じました。
何のわだかまりもない、ただ、何か大きいものに包まれて幸せな気分、こんな感じです。

追加

そうそう、活動当初R-55(二人組、ともに55歳だったので)を組んだ時にはゲストメンバーと、あるいは、ご家族様と共に演奏させていただきました。今も相方の古田さんは、エクセレント岡崎で毎日ご入居者様と演っています。
通算のべ2,000人以上の方々と楽しい時を過ごさせていただいております。
今月もチームで2件と齋藤さんのソロライブが2件予定されています。
それから、ボーカルの新田さんがある方にこの活動を紹介するとおっしゃっています。
そうなると、これはもしかすると、いや、本当に益々面白いことになるのではと思わずにんまりしてしまうのでした。

追記

自分が還暦を過ぎてから、干支で二回りの上の方と親友(60歳と84歳)になった。今までの人生で予想だにしなかったことです。ああ人生、なんと楽しからずや。
この原稿を先にその親友(ハーモニカの齋藤さん)に読んでもらったら、「読んでいて涙やまず…」とお返しくださいました。
そして最後に気持ちの落ち着く先は、これからもいい介護をとことんやりきる!という現場に対する愛情なのです。

年度末の研修会で私は、今自分の置かれた環境が自分の人間力向上のための最良の場所であることをすべての職員さんにわかってほしくて、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を読み合わせしました。物質を右から左に動かすように簡単にはいかないのが心の共有。これができたら強いチームになれるんだ、と四六時中考えています。
音楽はその思いを実現するひとつのツールでありうると実感しています。

「私たちのホームに鍵をかけなさんな!」
8年前の清水さんの真の怒りが形を変えて今、こんな風になっているのです。

グループホーム・小規模多機能型居宅介護
スイート上桂
スーパーバイザー 兼 管理者 本多 政彦



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