今秋の我がスイート上桂での敬老会は、「書道・音楽・香道・茶道」を組み合わせた五感に働きかける取り組みでした。各分野のスペシャリストが、遠くは東京から全員手弁当で会場に集結くださいました。
心と体に働きかける音楽が安らぎの空間を醸し出し、施設最高齢102歳のご利用者様が点てるお抹茶をいただく合間に、書道家の先生が書を、全員に額装してプレゼントしてくださいました。皆様が選ばれたお好みの漢字を、我々の眼前で次々と、豪快に繊細に仕上げられました。その数、なんと32作品。
いただいた書は、想い出の一文字、大切な一文字、目標の一文字等、思いの詰まったお気に入りの漢字一文字を各々事前に考えていただいたのですが、その方が大切にされていることや、心震えるエピソード、幼年の頃の思い出などをお聞きすることができて、その方の事を改めてより深く知るとてもいい機会にもなりました。
香りに包まれ、音に聴き入り、書に感嘆し、茶に心満たされる空間に、老いや敬老という言葉は全く不要です。ただひたすら、今生きているという実感が皆の心に等しくあったと思います。
話したくなるから話す、動きたくなるから立ち上がるといった、心を起こす事の大切さ、日常のケアに忘れてはならないものを強く感じるひとときでした。
催事はご利用者様、ご家族様、地域の方々や職員が一堂に会し、交流を深める大切な機会です。又、日常生活の枠を超え、新たな信頼・感動・笑顔・発見を生む場ともなります。
こんなケアが欲されているだろう、だからこんな場所がいるだろうと思っても具体化するのは難しいですが、わかりやすく指導やフォローをしてくれる上司、心置きなく語り合える頼れる仲間がおり、その一員として私自身も今回最高の経験ができました。
「ご利用者様が生きることを楽しめる場所」をつくりだすために、ご利用者様とご家族を中心に、かかわるすべての人たちが、素敵なチームでありたいと日夜考えております。
グループホーム・小規模多機能型居宅介護
スイート上桂
介護士 山本 彩香